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松井稼頭央内野手・抜群の存在感でチームをけん引

 



 日本一によって勝利の味を覚えたナインは、さらに成長を遂げている。主将の松井稼頭央はそれを感じ取っている。「チームの雰囲気も良いし、声も出てる。去年、日本一になった自信、今年も勝ちたいという気持ちも当然持っている。技術的にも精神的にも伸びている」。日本一連覇への確かな手応えを明かした。

 オープン戦は12勝3敗2分けで12球団で2位となった。「勝ちにいったのは最終戦の最後ぐらい」と星野監督。3月23日の中日戦(ナゴヤドーム)は8回まで3対3の同点で進んだ。接戦を制し、その言葉どおりの勝利を収めた。「勝つ」ことを身につけた証しだ。松井稼自身もオープン戦打率.393の成績。チームの雰囲気にも押され、万全の状態で開幕を迎えた。

 今年10月に39歳を迎えるベテランは今も遊撃というポジションで守備の要となっている。指揮官も「ピッチャーが苦しいとき、いいタイミングで声を掛けに行く。稼頭央はさすが。ワシは何もせんでいいよ」と全幅の信頼を置く存在としてチームを支える。

 昨季は日本一の一方で打率.248、11本塁打、58打点という成績に「個人としては反省」と不満も抱く。プロ14年目に懸ける思いは強い。キャンプでは一軍本隊が沖縄本島に移動した後も、ニ軍がキャンプを続ける久米島に残り、連日のように納得がいくまでバットを振り込んだ。

 オープン戦で高打率を残しながら「(振り込みの成果が)出てくるのは、もっと後になってくるのかな」と、まだ理想の状態ではないという。日本一連覇のため、そして自分が納得できる成績を収めるため、まだまだ進化を続け、イーグルスを引っ張っていく。
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