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一岡竜司投手・「勝利の方程式」入りで飛躍の一年に

 



 一見、落ち着き払っているように見えた。一岡竜司は開幕2戦目の3月29日、中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初ホールドを記録した。2点リードの7回に登板し、五番・森野、六番・和田、七番・エルナンデスの難敵をわずか8球で3人斬り。最高の形で今季初登板を飾ると、「直球で詰まらせられたのは良かったと思います。(登板直前にブルペンで)水をもらったときは手が震えていました」と照れ笑いした。

 巨人に移籍した大竹の人的補償としてオフに加入。オープン戦は7試合登板で防御率2.70と結果を残し、プロ3年目で初の開幕一軍をゲットした。しかも、早くもセットアッパーとして「勝利の方程式」入り。「(巨人)西村さんからLINEで『おめでとう』とメールをいただきました。うれしいというよりは、頑張らなくちゃという緊張感の方が強い。気持ちはいつもがけっぷち。勝っている試合でも負けている試合でも、ゼロを積み重ねていくことが大事だと思います」。一岡本人は初々しい言葉を並べるが、首脳陣の評価は高まるばかりだ。

 昨季までのプロ2年間は一軍通算13試合登板のみ。長い二軍生活の中で立場は違えど、背中を追っていた存在がいる。オフに巨人から中日へ移籍した小笠原だ。ジャイアンツ球場でともに汗を流した大先輩。3月10日の練習試合であいさつに向かった際、「お互い移籍して、良いチャンスだから頑張ろう」とエールを送られた。

「若手と一緒の時間に練習に出て来て練習する姿はお手本でした。自分も頑張ろうと思います」。中継ぎ陣の中心としてフル稼働を期待される1年。一軍の舞台に立てる喜びだけは忘れないつもりだ。
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