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小窪哲也内野手・家族を背負って臨む初めてのシーズン

 



 伏兵の1本から、カープのスタートダッシュは始まった。3月28日の開幕戦・中日戦(ナゴヤドーム)、同点で迎えた延長10回一死、代打で登場した小窪哲也が重たい扉をこじ開けた。クローザー・岩瀬の外角スライダーを右中間へ二塁打。「いつも練習しているイメージで打てた」。試合後はサラリと振り返ったが、菊池の決勝打をお膳立てしたのは間違いなくこの男だった。

 4月12日に29歳の誕生日を迎えた。7年目の今季は新たな船出の1年となる。昨年7月に真由夫人と結婚。家族を背負って臨む、初めてのシーズンだ。「(年末に)実家に帰ったときにも自覚が出た。いつもはのんびりするんですけど、より一層頑張らないといけないと思いましたね」。秋季キャンプでは内野の全ポジションに取り組み、がむしゃらに生き残りを図った。1月にはグアムで選手会長の梵と合同自主トレを敢行。春季キャンプから堅守、しぶとい打撃をアピールし、順当に開幕一軍スタートを切った。

 昨季は53試合出場で打率.264、3本塁打。今季は虎視眈々と出番増を狙っている。実際、開幕2戦目の中日戦では早速三塁スタメン起用され、打っては3打数無安打ながら、好守連発でドラフト2位・九里亜蓮のプロ初登板初勝利を呼び込んだ。同率首位対決となった巨人3連戦(東京ドーム)の初戦・4月8日にも三塁で先発。首脳陣の信頼は厚く、今後も堂林翔太、ドラフト3位・田中広輔と三塁レギュラーの座を争っていくことになりそうだ。12年に右ヒジを手術し、「長く野球をやりたいという気持ちが強くなった」。

 日々サポートしてくれる愛妻のためにも、飛躍の1年にしたい。
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