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マイケル・クロッタ投手・青い瞳の新鉄腕が接戦勝利への使者

 



 ハードワークを黙々とこなす、新外国人マイケル・クロッタが、新天地で完全に立ち位置を確立した。開幕前には日本野球への適応が疑問視される見方もあったが、勝利の方程式の一角を任されるまでになった。チームトップの32試合に登板(6月25日現在)。入団当初のチャーミングな愛称「クロちゃん」とは似ても似つかわしくない、他球団にとって驚異の存在だ。

 価値が際立ったのが6月25日のDeNA戦(横浜)。2点リードの9回に、大谷―宮西の後を受け3番手で登板して無失点で切り抜け、来日初セーブをマークした。それまで4試合連続で失点していた新守護神の増井の代役を任され、即座に結果を出した。「チームの勝利に貢献できてうれしい」。そう涼しく振り返ったが、敗れれば借金生活に突入する大事な一戦。救世主としての働きは大きかった。

 201センチの長身でコンスタントに150キロ超の速球を投げ込む。ただ、経験値の乏しさが、課題だった。アメリカ時代のメジャー登板は2011年のパイレーツ所属時の15試合のみ。昨季在籍したナショナルズ傘下3Aで51試合登板などマイナーでは輝かしいキャリアを誇るが、日本流で言えば「万年二軍」クラスの一選手だった。

 昨オフに本人の意欲もあり心機一転、日本挑戦を決意して日本ハム入り。キャンプ、オープン戦で評価を上げたが、開幕直後はビハインド・ゲームにも登板するほどの立場だった。着々と信頼を積み上げ、防御率は0点台をキープと破竹の勢いで、接戦勝利には欠かせないピースになった。「日本ハムで優勝するために、ここに来た」。強い信念で、たくましく1シーズン目を歩んでいる。
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