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福山博之投手・チームを支えるタフネス右腕

 



 目標達成は不可能ではなくなった。楽天の勝利の方程式の一角、福山博之。65試合を終えて、チームトップの30試合に登板。防御率0.79は立派な数字だ。今年がまさに開花の年となりそうだが、将来鉄腕と呼ばれる素質は十分に持っている。

 福山といえば、チームの“お笑い”担当でもある。2月の久米島キャンプでは、早朝に行われた声出しで「今年は先発なら10勝、中継ぎなら60試合以上投げます!」と宣言。さらに「それができなければ、台湾でダンサーデビューします!」と続け、周囲の大爆笑を生んだ。

 昨年のアジアシリーズで行われた歓迎レセプションで、いきなりステージに上がらされ、地元のダンサーと一緒に踊ったことをかけてのものだった。

 144試合のうち、折り返しにも満たない状況で目標のちょうど半分の30試合を投げた。台湾行きは免れそうな状況になってきた。

 チームの信頼度も抜群だ。6月22日の阪神戦(甲子園)でも、6回一死から登板し、1回2/3を投げて無失点。3安打は打たれたが、要所を締めてチーム2カ月ぶりの連勝に貢献した。イニングまたぎも苦にしない。勝ちゲームでも、競った状況でも、常に準備して登板する。172センチと小柄な体に似合わないくらい、驚異のタフネスぶりを発揮している。

 緊迫した状況を、むしろ心地よく感じている。「投げることが楽しくてしょうがない。チームが必要としている所であればどこでも行く」と頼もしく語った。

 チームは最下位を行き来する苦しい状況だが、この男が投げれば投げるほど勝利の数は増える。巻き返しに欠かせない男だ。
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