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ゴメス内野手・我慢しながら結果を出す

 



 後半戦の開幕となった巨人3連戦に勝ち越して好スタートを切ったチームは、ここからが勝負になる。打線の軸となるのは「四番」に座り続けるマウロ・ゴメスだ。

「相手がどこだろうと一生懸命にプレーすることだ。これからも全試合に出られるように頑張るだけだよ」

 ここ数年はチームは「四番」の不在に泣かされてきた。いつも日替わりの状況だったが、セ・リーグで「四番」を固定できているのは阪神だけで、中軸が固まったのは大きかった。

 しかも、マートンが「安打製造機」なら、ゴメスは典型的な「ホームランバッター」で、チームの懸案だった得点力不足は解消されてきた。

 開幕こそ出遅れたが、4月17日の広島戦(マツダ広島)で来日1号を放つと、7月11日の巨人戦(東京ドーム)での2試合連続16号まで持ち前のパワーで本塁打を積み重ねた。

 特に高い放物線を描く軌道が特長で、前半戦84試合に出場して71打点を記録。ゴメスも「トレーナーを含めてチームメートも親切にしてくれる」と、異国の環境にもなじんだようだ。

 当初は「三振かホームランか」といったイメージもあったが、意外にボールを見極める力量も評価されている。変化球主体の配球にバットが止まるケースが多く本人も「我慢することが大切」と力説する。

 来日1年目の助っ人が全試合に「四番」で先発出場するとなれば球団史上初となる。シーズン終盤になると失速するチームの傾向を、ゴメスのバットが振り払うに違いない。
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