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西原圭大投手・分岐点の2年目へ進化のオフ

 



 25歳で臨んだプロ1年目。昨秋のドラフト4位・西原圭大は天国と地獄を一気に経験した。ルーキーながら開幕一軍入りを果たし、プロ初登板も上々の滑り出しを見せた。開幕2戦目の3月29日の中日戦(ナゴヤドーム)、5点リードの9回に登板して1イニングを1安打無失点。「イメージどおりの投球ができた」のコメントに自信があふれ、このまま中継ぎの一角に定着するかと思われた。

 だが、やはりプロの壁は分厚かった。開幕から登板7試合で防御率11.05と打ち込まれ、4月21日に出場選手登録を抹消される。1カ月近くの二軍生活を経て5月13日に一軍再昇格したものの、安定感を欠く投球が続き、6月5日に二軍へ逆戻り。以降、一軍から再び声がかかることはなかった。1年目の一軍成績は11試合で勝ち負けなしの防御率6.61。即戦力と期待されていただけに、到底納得できる数字ではなかった。

「ナチュラルシュートをイメージどおり腕を振って投げれば、右打者は嫌がってくれると分かりました」。2月春季キャンプ中の言葉だ。スリークオーターからシュート回転するクセ球が持ち味。140キロ前後の直球で右打者を詰まらせて初めて、魅力を最大限に発揮したと言える。ただ、この持ち味はもろ刃の剣でもある。繊細な制球力を欠けば、甘く入る失投にもなりかねない。

 今季は一軍16回1/3で5四球という数字以上に、コントロールミスが目立った。クセ球を生かすためにも、制球力の向上が飛躍のカギを握る。来季はプロ野球人生の行方を左右する1年と表現しても過言ではない。下半身を強化し、投げ込みでフォーム固め……。今オフは重要な分岐点となりそうだ。
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