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谷繁元信兼任監督・12球団トップの更改

 



 12球団トップでの「更改」だった。11月1日、このオフも中日の銭闘は早々と始まった。「厳冬」ではなく「厳秋」。先頭を切って落合GMと対面した谷繁元信は、前半は選手として金額を交渉した。

「来年は45歳。その年齢でまだこれだけ給料をもらえること自体がありがたいと思わないと。ダウンしたことは僕にとっては問題ではありません」

 秋季キャンプ中のため、サインを済ませて会見場に現れた谷繁はユニフォーム姿。19年ぶりに出場試合が2ケタ(91試合)となり、球団提示は4000万円ダウンの9000万円。1億円の大台を割るのは17年ぶりとなるが、そこにはまったく興味も執着も示さなかった。

 後半は現状維持の1億円で合意し、監督としての立場での会談に費やした。折しもその日はFA宣言の場合は獲得に名乗りを上げることを確認していた西武・炭谷が、残留を表明した日でもあった。自らの後継者育成にメドが立たなかった1年目。「外部」に求めようとしていたわけだが、あえなく頓挫。新人を含めた現有戦力を鍛えねばならない。

「僕個人の現実としては、引退は近づいています。言い訳にはできないけど、年齢とともに衰えが出てくるのは仕方ない。だからこそ、悔いが残らないように、少しでも選手に伝えていきながらやっていかないと」

 野村克也氏が持つ歴代最多出場3017試合まではあと26。「抜きます。抜けるように頑張ります」と力強く宣言した。その一方で、自分を鮮やかに抜き去ってくれる捕手の出現を、心待ちにしているはずだ(金額は推定)。
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