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桂依央利捕手・強肩光る秘蔵っ子

 



 大多数のファンにはほぼ無名、そして一部の二軍通にはある意味で有名。それが桂依央利だ。というのも大卒1年目の14年は一軍には昇格できず。二軍戦にはチーム最多の50試合にマスクをかぶったが、投手への返球もままならない、いわゆる「イップス」で苦しんだ。

 その桂が一躍脚光を浴びたのが、秋季練習中の11月11日に行われたルートインBCリーグ選抜との練習試合だった。フル出場した桂は、盗塁で3度、二塁けん制で1度走者を刺した。これを見た谷繁兼任監督はこう言った。

「桂はハマるととんでもない球を投げる。自分の高3のときくらい。いや、僕は高3のころが一番よかったんだよ」。強肩で知られた自らの全盛期に匹敵するという褒め言葉。さらに、秋季練習に特別コーチとして招へいされた土井正博氏は、終了時の「目立った若手は?」という質問にこう答えた。

「伸びしろは桂くん」。挙げた名は1人ではなかったにせよ、守備だけでなく打撃でも成長を見せられたということだ。二軍戦では打率.267ながら、終盤に急降下するまでは3割台を維持していた。もともとの能力はあったところに、名伯楽の指導でさらに一皮むける期待が持てる。

「桂は肩がいい。打撃もいいモノがある」という谷繁兼任監督だが、二軍での3捕逸、5失策という成績にもあるように、キャッチングを桂の課題に挙げた。解消に向け、10メートルの距離からノックを浴びせ、ハンドリングとフットワークを直接指導。「ありがたいことです。しっかりと準備して、どの試合にも臨みたいです」。未年生まれの若者が、ついに竜の捕手難にピリオドを打てるか。
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