静かに闘志を燃やす。
新井良太はシーズンオフのトレーニングと食事制限によって体重を約4キロ減の93キロまで絞った。「できるだけ腰に負担をかけないように、体幹、バランスを考えながら動いている。モデルチェンジしていかないといけないから」
新井の反骨心をかき立てているのは、行き場を失った悔しさだった。開幕から三塁の定位置に就いてきたが、徐々に巧打を売り出しにした今成にとって代わられた。
昨季は78試合出場(打率.295、7本塁打、34打点)にとどまった。2年連続100試合以上に出場してきた新井にとっては屈辱だった。
契約交渉の席でも200万円減、3000万円(推定)の提示を受けた本人は「試合数も打席数も減ったから仕方がない」とあっさりと減俸を受け入れざるを得なかった。
試合前に腰を痛めた8月27日の
巨人戦(東京ドーム)が一軍での最終出場になった。CS、日本シリーズも万全でない状態での出場を強いられた。
今後について新井は「このまま順調にいけば大丈夫だ」と復調をアピールする。11年から4シーズン一緒にプレーした兄・貴浩が古巣・
広島に移籍したのも発奮材料となっている。内野では頭角を現した今成がライバルだが、外野も守る構えで、
マートン、福留らがそろって、ポジション争いは厳しくなる。
「でも、いけると信じてやる。人よりも自分。ポジションにこだわりはない。まずゲームに出ることが最優先。だから三塁も外野のどちらも準備するつもりです」
右で長打力のある打者が手薄で新井良の復活は、チームが優勝を狙う上でも大事なポイントになってくる。