ここからチームが浮上していくにはもう一度、ゴメスパワーが必要だ。全体的に得点力不足が目立っている状況の中で、四番大砲マロウ・ゴメスは「勝つために戦っていくしかない」と前を向いた。
来日2年目の助っ人はここまで苦戦を強いられている。なかなか持ち前のホームランが出ない状態が続いたことで、それがチームに影響を及ぼした。
5月17日の
中日戦(ナゴヤドーム)の9回、福谷から83打席ぶりのアーチが飛び出した。これがやっとの今季3号で、4月19日の
巨人戦(甲子園)以来、実に1カ月ぶりの一発だった。
同じドミニカ共和国出身の中日・ルナからバットを譲り受けた。それが同カードで18試合ぶりの猛打賞につながった。本人は多くを語らないが「四番」の重責を感じて何かにすがりたかったのかもしれない。
開幕から10試合を消化した時点で4割近くだったアベレージも長打が出なくなると同時に降下。試合前に室内練習場でマシン打撃を行うなど調子を取り戻そうと必死だった。
1年前はホームランを打つたびにチームメートの今成とパフォーマンスを披露して盛り上げた。和田監督も「中心が打てばそれ以外も塁に出てかき回せる」と相乗効果に期待を寄せる。
5月に入っても投打の歯車がかみ合わない今シーズンだが5月20日の巨人戦(甲子園)の先制打のように、やはり「四番」が打てばチームは盛り上がる。和田監督は「状態は上がってきている」とゴメスを分析する。四番・ゴメスも「これからも戦っていくだけだ」と自らの力で勢いをもたらすつもりだ。