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畠山和洋内野手・熟練の技で二冠

 



 振れば入る――。神がかりのアーチ連発で、交流戦の主役になった。畠山和洋の交流戦成績は実に18試合で9本塁打、20打点。いずれも中村(西武)を「1本塁打」&「1打点」の僅差でかわし、トップに輝いた。「狙い球もある程度くるし、打撃の状態はいい。でも、なんでそんなに打てるのかは自分でも分からないよ」。畠山は手応えを感じながらも、“神がかり”の理由については最後まで首をひねった。6月2日楽天戦(神宮)で1試合2本塁打をマークすると、怒濤の本塁打ラッシュの号砲。4戦連発アーチにも飽きたらず、6月に入ってから7戦7発と絶好調を持続した。

 その真骨頂は6月10日オリックス戦(京セラドーム)での18号ソロだろう。本人も「完璧。打った瞬間、入ると確信できた」と言った当たり。2点リードの5回一死。東明の初球、142キロの外角直球を振り抜き左翼席へ運んだ。

 杉村打撃コーチは賛辞を惜しまない。「配球の読み、外の球を打つ技術、ミスショットをしない正確性、この3つがズバ抜けている。熟練の技」と表現する。前の2打席で初球に内角を使ってこなかったデータを踏まえ「早いカウントで外の甘い球を打つと勝負をかけた」(畠山)という一発は、卓越した打撃技術と読みの鋭さの成せるわざだ。

 畠山は「実は交流戦は苦手」と明かす。データが少ない投手はその分読みづらいというのが理由だ。リーグ戦が再開し、セ投手との対戦に戻るとき、絶好調の真価が試される。「今のことより先のこと。相手の攻め方が変わってきて、体調が落ちてきたときにどうするか」。ヒゲを生やす口元を引き締め、勝負勘と読みを研ぎ澄ます。
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