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聖澤諒外野手・盗塁王奪回に挑むスピードスター

 



 チームの掲げる超機動力野球の申し子として、少しずつ復活への階段を上がっている。今年の11月で30歳を迎える聖澤諒。今季は規定打席には到達していないものの13盗塁をマーク。後藤と並びチームトップの数字を残す(8月11日時点)。2012年には54盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した男が、再び輝きを取り戻しつつある。

 昨季は体調不良のため二軍生活が長引き、66試合の出場にとどまった。盗塁もわずかに「5」。年俸も9800万円から7800万円(金額は推定)へと大幅ダウンした。「レギュラーをもう1度取りにいく気持ちでいく。下げられた分を来年取り返したい。見返したいという気持ちでやる」。初心に戻り臨んだ。

 今季は「一番・中堅」で開幕スタートしたが、打撃の調子が上がらず打率1割台が続いた。5月に入っても低調のままで、同13日に登録抹消。約1カ月もの間、二軍での調整を余儀なくされた。6月13日の再昇格後に復調。「試合に出たいので、どんどんアピールしたい」と7月は月間打率.326と状態を上げ、一番の座を取り戻した。

 大久保監督は、姿勢の変化を口にする。「諒はどちらかと言えば悔しさを表に出さないタイプなんだけど、ベンチ裏で荒れたときがあった。アイツも変わったんだな、と思ったよ」。試合に出たい、打ちたい、勝ちたい……。自らの思いを文字どおり体現したその姿に、頼もしさを感じた。

 チーム全体として打撃が低調で、5位に甘んじている。残り50試合を切り、浮上のためにもシーズン前から掲げる“足攻”は欠かせない。逆転でのCS進出へ、背番号23は最後まで走り続ける。
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