助っ人に異変が生じたのは、V争いに燃える秋口だった。外国人一塁手
マウロ・ゴメスが、9月3日の
広島戦(甲子園)で不動の「四番」から外れた。
シーズン120試合目での決断に和田監督は「もう待つ時期じゃない。悪くても打線を機能させなくてはいけないから」。四番に福留、ゴメスを「五番」に下げた。
指揮官の苦渋の決断を、ゴメスは素直に受け入れた。1年前は日本特有の蒸し暑さにバテが入ったが、来日2年目も夏場から秋口にかけてバッティングは下降していった。昨季26本塁打を記録して、1年目から打点王のタイトルを獲得した。今季は最低30本が期待された大砲だったが、打球が上がらない状態が続いた。
8月9日の
DeNA戦(横浜)で13号2ランを放ったが、これが1カ月ぶりの本塁打。7月9日の
中日戦(甲子園)以来、22試合、97打席ぶりは、来日後最大のブランクだった。
その後、8月13日の中日戦(京セラドーム)で苦手としていた大野から先制14号を放った。調子の波に乗るものと信じたが、それ以来、すっかりゴメスのバットから長打は影を潜めた。
9月2日の広島戦(甲子園)の試合前練習中にグラウンド内で小型無人機ドローンを飛ばして球団から厳重注意を受けた。それと同じタイミングで不振に陥ったゴメス。和田監督も「焦って見極めができず、打てないボールを打っている」。練習熱心な助っ人だけにフォームチェックするなど努力を続ける。
優勝に向けた最終コーナーにきての助っ人パワーはやはり不可欠。ゴメスは「打点を挙げることが一番なのは分かっている」と猛打を振るうつもりだ。