2年連続最下位だった燕軍団が、優勝争いを繰り広げられているのは、間違いなくこの男の存在があるからだ。
ローガン・オンドルセク――。今季、メジャー・リーグのレッズから加入した203センチ右腕は9月15日現在、63試合に登板し、5勝2敗、防御率2.31。大当たりの補強だった。
「自分は出た試合で結果を残すだけ。先発やリリーフの仲間たちがいい仕事をしているし、その流れに自分も乗っていくことができていると思う」
今では燕投手陣にはなくてはならない存在だが、加入当初は未知数だった。レッズ時代は10年から5年連続で40試合以上に登板した実力者も、オープン戦では最速157キロの直球は140キロ前後しか出ず、開幕前は中継ぎの1人としか評価されていなかった。それでも「お客さんが入ってモチベーションが高まれば、球速も上がるから心配していない」と話していた通り、開幕から徐々に結果を残すと、4月終わりにはロマン、バーネットとともに「勝利の方程式」を形成するまでになった。
それでも来日して1年目。慣れない環境に疲労がたまった7月下旬から8月中旬にかけては打ち込まれる場面も目立った。それでも高津投手コーチは「文句を言うつもりもないし、信頼は変わらない」と強調。本人も最初は自分の良いボールを投げるだけだったが、女房役の中村にアドバイスを求めるなど、積極的にコミュニケーションを図るようになった。
目指すのは2001年以来、14年ぶりとなるリーグ優勝だけだ。「最後はみんなで笑えるように腕を振り続けたい」。
頼りになる長身セットアッパーがチームを支える。