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増田達至投手・初タイトル獲得もさらなる向上を目指す右腕

 



 社会人出身だけに新人時から即戦力として「年間通して一軍で投げる」ことを目標に掲げてきた増田達至。だが1、2年目とも調整不足やケガで開幕一軍ならず。自身の中では決して「完全燃焼」とは言えないシーズンが続いた。そして迎えた3年目の今季、ついに大きな目標をクリアしたのである。

 念願の開幕一軍入りを果たすと、初戦から4連投で4ホールドを記録。リリーバーとしての地位を確立し、勝利の方程式の一角として安定した投球を続けた。とはいえ、初のフル稼働だけに、「今の疲労度や調整法は果たしてシーズンを投げ切るのに適しているのか?」という不安は常につきまとった。特に7月、球宴初選出の名誉を得たがリーグ戦再開後は3試合で12失点。チーム13連敗の渦中で打ち込まれた。それでも、「スタートが早かった分、去年の秋ごろにきていた疲れが前倒しになっているんだと思う」と必要以上に落ち込まず、切り替えると復調してみせた。

 田邊監督も絶大な信頼を寄せており、勝利のかかった大事な局面では徹底して背番号14をマウンドに送り込んだ。特に後半戦は、同じタイミングで調子を崩した抑えのエース・高橋朋に代わってクローザーを任されることも少なくなかった。その期待に見事に応え、8月5日以降23試合連続無失点を記録。「1年間投げ抜く」という目標達成のため、ただがむしゃらに腕を振り続けた結果、終わってみると最多登板(72試合)、最多ホールドポイント(42)を遂げ、最優秀中継ぎ投手のタイトルを手にした。

 一方、「タイトルは取れましたが、不甲斐ない投球をしたことも多かった」。新たな課題も見つかった。身上の『マイペース』を貫き、今季以上の成績を求め続ける。
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