週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

クルーズ投手・献身的にブルペンを支えた優良助っ人

 



 勝ちパターンのセットアッパーとして腕を振り続けた。来日2年目のライナー・クルーズ。今季は52試合に登板して1勝3敗。防御率3.12。終盤こそ疲労から制球を乱す場面もあったが、150キロ超の直球を軸に、強打者の多いパ・リーグの打者をねじ伏せた。「全力を尽くして働けた」。その言葉から充実感があふれた。

 外国人選手の不振が最下位低迷の一因となった今季。その中で最も結果を残したと言っていい。昨季は6月に入団し、リリーフとして29試合に登板。防御率3.99と安定感に欠いた1年目になった。今季は開幕一軍メンバーに名を連ねたが、4月中旬に右ヒジの炎症で一時離脱。1カ月超の離脱がありながらの52試合登板は驚異の数字と言える。

 退任した大久保監督は「どんな場面でも嫌な顔せずにいてくれる。こんな頼もしい投手はいない」と賛辞を送り「クルーズがいなかったらと思うとゾっとする」とまで言った。今シーズンのチーム完投数はたったの「4」。継投でしのぐケースがほとんどだった今季。松井裕、福山、青山、武藤らとともに果たした役割はとてつもなく大きい。

 主将で正捕手の嶋は最終戦後に「本当に中継ぎの人たちは毎日毎日、肩を作って、しんどい場面で投げてくれた。感謝しかない」としみじみと話した。チームは26もの借金を抱えて2年連続の最下位に沈んだ。だが、連日ブルペンで準備し投げまくった中継ぎの功績は色あせることはない。

 楽天での2シーズン目を終えた右腕は「機会があれば、来季も当然プレーしたい」と3年目に意欲を見せた。来季も惜しみなく剛球を投げ込むつもりだ。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング