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土肥寛昌投手・体力強化と新球。一軍を見据え進化中

 



 挫折をバネに大きく飛躍を遂げようとしている。愛媛・松山での秋季キャンプで、土肥寛昌がブルペンで力強い球を投げ続けている。「アピールして自分を知ってもらうしかない。来年こそは一軍の戦力になりたい」と意気込む。ブルペンで土肥の投球を視察した真中監督も「球種の多い投手。コントロールをしっかり磨いて、打者にボールを絞らせない投球ができるようになれば」と昨秋のドラフト6位右腕に期待を寄せている。

 実力不足を痛感した1年だった。社会人のHonda鈴鹿で、先発からリリーフまでフル回転していた右腕は、2月の春季キャンプでは途中から一軍に合流。3月のオープン戦でも起用されるなど、開幕一軍まであと1歩に迫った。だがその後は毎日試合をこなすプロのリズムに適応できず、次第に調子は下降。「夏場は練習にすらついていけなかった。疲れ過ぎてしまって、アピールするところまでいかなかった」。イースタン・リーグでは37試合に登板し、3勝2敗1セーブ、防御率5.91と本来の力を発揮できなかった。

 この秋は課題の体力強化と並行して、新球のチェンジアップを習得しようとしている。カットボール、スライダー、カーブ、フォークと多彩な球種を持つが、「左打者用にシュート回転して沈んでいくボールが投げられれば」と10月から取り組んでいる。握りや抜き方をいろいろな人に聞きながら、自らに合う投げ方を探っている。

 土肥が目指すのは、遠戚にあたる元西武土肥義弘氏のような攻めの投球。右と左で利き腕は違うが「外国人選手にもバンバン内角に投げていた印象があります。僕もそういう投球がしたい」。2年目の来季こそは一軍に割り込む。
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