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楽天 聖澤諒外野手・どん底からの再出発

 



 聖澤諒楽天で完全復活を目指すことに決めた。プロ野球選手としてはひとつの節目となる国内FA権を取得した8年目のシーズン。悩んだ末に、権利を行使せずに楽天残留を決めた元盗塁王は「成績を残せなかったのが、ひとつの決め手。結果を残さずに移籍するのは逃げかな、と思った」と胸中を口にした。

 11、12年に50盗塁以上をマークした韋駄天も、ここ2年は苦しみ続けている。今季は「一番・中堅」で開幕スタートしたが、極度の打撃不振に陥り5月中旬から約1カ月間、二軍での調整が続いた。夏場以降に復調したが、出場は86試合にとどまり、打率.252、15盗塁に終わった。「戦力になれなかった」と悔しげに振り返った。

 倉敷での秋季キャンプでは、不振脱却への取り組みを始めた。「例年はスイングスピードを上げることに時間を使ってきたが、今年は正しいフォームを身につけることをテーマにした」と聖澤。バランスディスクに乗って素振り、ティーバッティングを繰り返してきた。「好不調の波を減らして、チャンスボールを一撃で仕留められるように」と、自主トレ期間中も継続して練習を続けていくつもりだ。

 ドラフトでオコエ瑠偉を指名するなど、外野手争いは今季以上に混迷を極める。そんな中、聖澤の目標設定は「まずは100試合、100安打を目指す」と控えめだ。「小さい数字と思われるかもしれないが、最近2年はそれすらもクリアできていないので、まずはその数字を達成できるように」。年俸はここ2年で3000万円以上もダウンした。それでも、どん底からの脱却へ、30歳の目はまだ死んでいない。
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