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ソフトバンク 松本裕樹投手・10月デビューで得た手応えと来季の目標

 



 ゆっくりではあったが、着実に階段を登った。2015年ドラフト1位入団の松本裕樹。岩手・盛岡大付高で甲子園に出場した14年の夏に右ヒジを痛めたこともあり、1年目はほぼリハビリに専念した。状態は一進一退が続いたが、リハビリが軌道に乗ったのはトレーニングでヒジ周りの筋力が付いてきた夏場以降。地道なリハビリのかいもあり、10月25日のみやざきフェニックス・リーグ、韓国・LG戦(SOKKEN)で実戦デビューを果たした。

 昨夏の甲子園3回戦(8月20日)以来、431日ぶりの実戦だった。6回に3番手で登板し、先頭を3球で一邪飛、2人目を2球で二ゴロに打ち取り、最後の打者は外角直球で3球三振に仕留めた。盛岡大付高時代に最速150キロを誇った直球がこの試合では139キロ止まりだったが、直球主体の計8球でパーフェクト投球。「(ヒジの)違和感もまったくありません。緊張もしなかったし、思ったより普通に投げられた」。デビュー戦で1回を無安打無失点と結果を残し、2年目の来季に向けて大きな手応えを得た。

 投球を見守った水上二軍監督は「直球に強い韓国の選手が見逃していた」と強調し、球速に表れない速球の質を指摘した。2年目に向けて、本人も大きな刺激を受けている。自身の実戦デビューの直前、球団はドラフト会議で県岐阜商高・高橋を1位指名。高校2年時に複数の学校が合同で練習試合を行った際、1年生の高橋が投げている姿を目にしたという。「当時から名前は知っていた。速いな、という印象でした」。同じ高卒ドラフト1位の先輩として負けるわけにはいかない。来季、1日も早い一軍デビューを目指す。
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