課題と収穫を得た1年となった。明大では東京六大学リーグ通算20勝を挙げて今季、ドラフト1位で
オリックスに入団した
山崎福也。即戦力左腕として期待されたルーキーイヤーは、17試合に登板して3勝6敗、防御率4.53。「満足いく数字を残せなかった。けど、自分の中で通用する部分も分かったことは大きかった。来年に向けた課題もはっきりとした」と今季を振り返った。
慌ただしい1年だった。春季キャンプ、オープン戦で結果を残して開幕ローテ入りを果たしたが、結果を残せず7月には中継ぎに配置転換。その後は再び先発に戻ったが最終的に17試合の登板のうち先発は12、救援は5。これまでの調整法が変わるなど新人には酷なシーズンだったが「いい経験ができたと思っています。中継ぎの難しさを分かったことで、先発で投げるときはより責任感が強くなった」とプラスに考えている。
ペナントを終えると11月には14年のドラフト1位右腕・吉田一とともにプエルトリコのウィン
ターリーグに派遣された。瀬戸山球団本部長は「来年の先発ローテションとして期待する2人。日本では得られない経験をすることでレベルアップを期待したい」と選出した理由を説明した。左腕不足が深刻化するチームにとって山崎福にかかる期待は大きい。
球団納会、選手会納会などオフのイベントをすべてキャンセルして異国の地で武者修行に旅立った左腕は「外国人相手に真っすぐをどれだけ投げられるか試したい。内角を強く攻められるようになったらもっと自信がつくと思う」と力を込めた。濃密な1年を過ごした経験を生かし、来季は先発として2ケタ勝利を目指す。