このカベを乗り越えて本領発揮だ。
横山雄哉が試練を味わっている。高知・安芸での秋季キャンプのトレーニング中に負傷。11月24日に右足第5中足骨の固定手術に踏み切った。その後はリハビリの日々が続いている。
「来年こそしっかりした成績を残さないといけません。ケガしたのは11月だったんですが、手術することを決めたのは1日でも早く治すためです」
新日鉄鹿島からドラフト1位で
阪神入り。1年前の入団会見では「即戦力として2ケタ勝利を目指したい」と胸を張ったが、その目標をクリアすることはできなかった。
開幕から出遅れた左腕に出番が回ってきたのは5月21日の
巨人戦(甲子園)だ。プロ初登板で7回6安打無失点の好投。勝ち星こそつかなかったが、その将来性を十分にアピールできた。
しかし、最速151キロの直球に、カーブ、スライダーなどを操る投球も長続きしなかった。5月30日の
西武戦(西武ドーム)で
メヒア、中村に本塁打をお見舞いされて3回もたずKOを食らったのだ。
横山が「1度良くても次がダメなら意味がない」というように安定したピッチングを手に入れるためにワインドアップをセットにするなど、二軍でフォーム修正にも取り組んできた。
だが、結局は一軍わずか4試合の先発登板で未勝利に終わった。しかし、チームが優勝争いをする9月にはリリーフ役としてブルペン待機もこなす経験もできた。
ブルペンで福原、
呉昇桓らが10球ほどで肩を仕上げて勝負に向かう姿は、自らの未熟を思い知るとともに、さらなる闘志をかき立てられた。
貴重なサウスポーの横山は「来年こそチームに貢献するピッチングをしたいです」と、まずは負傷を乗り越えて来季を見据える。