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広島 野間峻祥外野手・チャンスをつかみ取る2年目に

 



 チャンスを与えられたルーキーイヤーだった。ドラフト1位で入団した野間峻祥は、キャンプからアピールを続けて開幕一軍を勝ち取ると、1度も二軍に落ちることなくシーズンを走り終えた。ポテンシャルにあふれる背番号37は結局、127試合に出場し、打率.241、1本塁打、10打点の成績を残した。代走や守備固めなど途中出場が多かったが、一軍の戦力であり続けた。「力不足を感じた1年だった。もっとレベルアップしないといけない」。シーズン直後のコメントには疲労もにじんでいた。

 緒方監督がドラフトでほれ込んで指名した逸材は、若かりしころに指揮官が背負った背番号37まで受け継いだ。荒削りだがスケールが大きく、肩と走力は一級品。緒方監督は経験を積ませるべくチャンスを与え続けた。時には偏重起用と酷評されることもあったが、

「使ってもらった中で、うまくいかないことも多かったけど、見えてきたものもあった。来年以降につなげないといけない」と手応えもあった。批判覚悟で起用を続けた緒方監督の思いに応えられるかどうかは、16年以降の活躍にかかっている。

 秋季キャンプではレギュラー奪取を目論み、打撃改造に取り組んだ。今季を振り返り、「低めの変化球を拾えたけど、速い真っすぐに刺されてしまう部分があった。とにかく振り負けないようにしたい」と言う。懐を深く持つため、石井打撃コーチと相談。構えるバットの位置を胸の前に変えた。探り探りではあるが、確実に手応えは得ている。「レギュラーを狙っていきたい」。野間の目は本気だ。もうチャンスを与えられる立場ではない。今度はつかみ取って、監督への恩返しとする。
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