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日本ハム 有原航平投手・1年目の試運転を終え覚醒の予感

 



 注目の1年目で及第点を残し、新しいシーズンは真価が問われる。2年目のジンクスへ挑む有原航平の本領発揮なるか。14年秋のドラフトで最多4球団が競合し、鳴り物入りで早大からプロ入りしたルーキーイヤー。右ヒジの不安から出遅れて開幕一軍を逃したが、8勝をマークした。CS進出に貢献し、目標どおりの新人王のタイトルを獲得はしたが、不完全燃焼に終わった。

 課せられた使命は、さらにハードルが高い。1年間、先発ローテーションを守る。その上で、絶対的なエースへと成長を遂げた大谷としのぎを削るような存在として期待される。広陵高時代から高いポテンシャルを評価され、大学進学後も順調に成長。ただの即戦力投手ではなく、先発陣の柱になり得る存在と目されていた。不慮の故障とはいえ、物足りなさが残った。

 有原自身の厳しい自己評価にも表れている。今季から年俸は倍増の3000万円となった契約更改交渉。その席上で「自己採点は50点」と発言。年下の大谷が15勝を挙げ、高校の先輩にあたる吉川、メンドーサも2ケタ勝利を挙げた。8勝を挙げたが、6敗を喫して、防御率4. 79。「バックが打ってくれたので」と、自力で1年目を乗り越えた実感は乏しかった。

 一番の収穫は、右ヒジ痛が再発することなくシーズンを終えられたこと。正真正銘の実力をアピールするための助走期間を終え、16年はフルスロットルで臨む。明確な目標もできた。「規定投球回を投げて、生まれ変わったピッチングをしたい」。最速150キロ超の速球に、多彩で洗練された変化球を持つ天賦の才を覚醒できれば、球界を代表する投手になるはずだ。
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