昨季は大きくブレークした。
立岡宗一郎は契約更改の席で、球団から「3年やって一人前。今年(15年)だけで終わらないように」と声を掛けられた。もちろん、本人も自覚している。「油断できる立場ではない。昨季のような気持ちを持って過ごしていけたらいい」と気を引き締めた。
チャンスが訪れ、それを自らの力でつかみ、定位置を奪っていった。昨季は故障者や不振者が多く、5月24日に出場選手登録された。その日の
中日戦で先発出場してさっそく2安打を放つと、同30日の
楽天戦で4安打の固め打ちを見せるなど、シュアな打撃と俊足で欠かせない戦力になっていく。ただ、本人はいつ先発を外されるか分からない、という危機感を常に持ち、慢心は一切なかった。シーズン途中からトップバッターに定着し、終わってみれば打率.304、16盗塁と貧打にあえぐ打線の中で存在感を見せた。「14年は(橋本)到だったり(大田)泰示が活躍しているのを見て、悔しい思いをしていた」と同世代に刺激を受け、昨季の躍進へとつなげた。
新シーズンに向けては、体力強化を目標に掲げる。レギュラーとして試合に出続けたからこそ、課題も見えた。「夏場に体重が落ちて、それに比例して成績も落ちた。1年間、戦える体を作りたい」。オフは走り込みの量を「びっくりするくらい」増やし、鍛えていく。それにともない、パワーをつけるのも狙い。昨季は本塁打ゼロに終わり、「打ちたい」と長打力アップも見据える。「(まず)開幕スタメン。昨季のような……、昨季以上の成績を残して貢献したい。高橋(由伸)監督を1年目から胴上げしたい」とさらなる飛躍を誓う。