チーム変革の年は、この男の心境ともだぶる。
上本博紀がもう一度二塁のポジション争いに挑む。「チームもそうだけど、個人的にも変わらないといけないと思っています」
金本監督からまずは打撃面での助言を受けた。「パンチ力があるし、無理に当てようとせず、もっとバットを振るべきだ」。
小柄ながらフルスイングが持ち味だったが、昨年は一、二番タイプの型にはまったような打撃が目立っていた。今年は、上本の打力がアップすることでチームの得点力は上がっていくはず。昨オフから振り続けたバットで変身を見せつける。
2015年シーズンは108試合に出場し、打率.253にとどまった。前年131試合からの減少は、ふがいなさを痛感するばかりだった。
西岡との二塁手争いでしのぎを削って開幕からポジションを手に入れた。しかし、8月初旬から終盤にかけて左腰骨折、左太もも痛などで離脱を強いられた。「結果を残さないといけないと思っています。具体的な数字はないが、1日1日しっかりやっていかないと……」
上本負傷の代役で
大和が起用されて評価されるなど、今シーズンも安穏としてはいられない。西岡、大和との定位置争いはさらに激化していく。
金本監督の「1選手2つのポジションを守る」をテーマに、秋季キャンプではセンターの守備にも着いた。あくまで二塁がメーンでも結果がすべてになる。
上本は「一番はチームが優勝すること。そこに向かって戦力としてしっかりプレーしたい」と攻守に意地を見せる覚悟だ。