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広島 堂林翔太内野手・鯉のプリンスの悲壮な覚悟

 



 越えなければならないカベがある。堂林翔太は覚悟を持ってキャンプに臨む。チームは中日からルナを獲得。「僕がふがいないから球団も獲ったんだと思います。いろんな人からお前がサードでしっかりしておけば、と言われた。早くその日が来るようにしたい」。大きなライバルが現れたのも自分の責任。高い壁を越えて、開幕から試合に出続けるつもりだ。

 ルナをベンチに追いやるためには、バットで快音を響かせるしかない。相手は日本通算3年間で408安打を放ち、打率.316、34本塁打、184打点の成績を残したスラッガーだ。それを上回ることは簡単ではないことは分かっている。だからこそ、掲げる目標は高い。「数字だけでも大きく。打率.333、20本塁打、80打点をテーマにする。高く設定するのは個人の自由。掲げてやっていきたいです。特にこだわりたいのは打点ですね」

 無謀な数字かもしれない。だがその気概なくして、レギュラー奪取はない。

 打棒復活へ向け、フォーム改造に勤しむ。昨秋のキャンプではバットを胸の前で構える神主打法に挑戦。石井打撃コーチとともに背中が投手側に入り過ぎる悪癖の修正に取り組んだ。少しずつマイナーチェンジを加え、バットの位置も変わったが、「感覚は良かった」。オフも年末まで打撃投手の手を借り、生きた球を打ち込んだ。「足も真っすぐ上げるようにしました」。確かな手応えをつかみ、キャンプに向かう。

 堂林が三塁に座れば、チームにも好影響を与える。「試合に出ないと数字も出せない」。ライバルの壁は高いが、必ず勝ち取ってみせる。もうこれ以上期待を裏切るわけにはいかない。
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