契約更改の会見終盤、声を大きくして
松山竜平は宣言した。「自分にプレッシャーをかける意味でも打率3割、25本塁打、100打点を目指したい」真っすぐ前を向き、表情は真剣そのものだった。15年の成績は100試合の出場で、打率は.277、7本塁打、26打点。目標は高いが、ぶち上げたつもりはない。打席に立ち続ければ、数字を残す自信はある。
なによりもケガをしないことが重要となる。松山は毎年のようにケガに見舞われてきた。15年も4月19日に左太もも裏の肉離れで離脱。加療に約20日間を要した。さらにアピールを狙った秋季練習中にはポール間走で右太もも裏を痛めた。「ふがいないです。中途半端な選手で終わりたくない」節目の30歳を迎え、決意は新た。自分を見つめ直している。
外野のポジション争いは激しい。昨季全試合に出場した
丸佳浩を筆頭に、
エルドレッド、新外国人・プライディ、成長著しい鈴木、野間も控える。「毎年新しい人は入ってくる。気にすることなく、自分のやることをやるだけです」
昨年、10月4日の
阪神戦(甲子園)では藤浪から右翼スタンドに本塁打を放った。勝負強さは折り紙付き。レギュラー半の選手では終われない。代打に甘んじるつもりなどもちろんない。
課題は明確だ。15年は右投手に対して打率.281だったのに対し、左投手は打率.200に終わり「苦手」のイメージを払拭することはできなかった。鹿児島で行った自主トレには、初めて左腕の打撃投手を同行させた。レギュラーとして暴れるには、とにかく離脱せず、左右を問わず打ちまくるしかない。不退転の決意を胸に、新しいシーズンに挑む。