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西武/高橋朋己投手・まずはしっかりした成績を残して

 



 2016年、高橋朋己はリベンジに燃えている。「不甲斐なさ過ぎた」と振り返る昨季、絶好調、絶不調、ケガでの戦線離脱など、プロ3年目は「本当にいろいろなことを学べた1年でした」

 開幕からクローザーを任されると、チームの連勝とともに開幕4試合連続セーブの日本プロ野球記録を樹立。以後、破竹の勢いでセーブを重ね、球宴にも初選出。だが、夏場に入ると状態を落とし、特に7月の防御率は11.74。一時は中継ぎに回るなど、初めての大不振を味わった。試行錯誤しながら腕を全力で振れるようになった9月、復調を待っていたかのように長女が誕生。以後、失点はゼロ。不運にも、同23日の試合中に右足骨折のアクシデントに見舞われたが、それは全力プレーの結果。「生まれてすぐっていうのがねえ……(笑)」と本人は笑い話に変えた。

 高橋朋は「僕にとって、子どもと野球は完全に別」という。「『子どものために頑張る』というよりも、『今年は自分との闘い』としか考えてない。そこで子どもの名前を出して、何かを子どものせいにするのがイヤだから」。だが、その裏には、「長くやれたら、子どもに覚えてもらいたい。でも、今はまだ成績が中途半端。まずはがっつりした成績を出したい」という娘が誇らしく思える父親になりたいとの理想像が思い描かれてもいる。

 とはいえ、私生活では愛娘の存在が自分を変えたという。「家に帰る楽しみが増えました。それに、奥さんが子どもの世話をしているときは洗濯物を畳んだり、皿洗いもしたりするようになりました」

 最終回のマウンドに上がり、素早く勝利で締めくくり、一目散に愛する家族の待つ家へ車を走らせる守護神の姿が今から目に浮かぶ。
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