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日本ハム 高梨裕稔・すい星のように現れた強力先発陣の新顔

 



 激戦の先発ローテーション争いにダークホースが現れた。大卒3年目右腕の高梨裕稔だ。一軍クラスの若手主体のアメリカ・アリゾナ州でのキャンプメンバーに選ばれ、当地で2度の実戦登板。2戦で計5回を1失点と猛アピール。栗山監督が「思い切って勝負するんだ、というのを感じた」と絶賛したように目を見張る内容。台頭の気配が十分で、開幕一軍抜てきも見えてきた。

 ライバルを尻目に存在感を見せつけた。先発陣の候補は今季、群雄割拠。同世代の同じ右腕は斎藤が結果に不安を残し、調整が遅れている中村勝と上沢は登板機会を得ることさえできなかった。高梨は、そのチャンスを生かし「ストライクをどんどんテンポ良く投げたことが良かった」と開き直り、首脳陣へアピール。新戦力として脚光を浴びた。

 秘蔵っ子として期待された注目株だった。山梨学院大から2014年ドラフト4位で入団。中央球界では無名だったが、隠し玉として指名を受けた。千葉・土気高で1年秋に内野手から投手に転向し、力強い直球と独特のフォークに日本ハム側が着目。1年目を育成期間に充て、2年目の昨季は二軍戦で11勝をマークと順調に芽を伸ばし、一軍デビューもした。

 アリゾナ滞在中には最速148キロもマーク。「200%で投げられるよう、逆算してやってきた」と決死の思いで仕上げ、先発争いで名前を上げた。実績ある大谷らが入ることが有力視される先発ローテの狭き枠に、グッと近づいた。奪三振率の高さが際立ち、秘密兵器としてブレークする兆しは十分だ。「開幕ローテに入ってチームの優勝、日本一に貢献したい」と志高く、大勝負をかける。
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