「超変革」の目玉は3年目の
陽川尚将だ。初対外試合になった2月16日の
楽天戦(宜野座)で、いきなり一発を放った。「監督に言われたことを頭に入れながらやっている」と成果を出した。
この試合で「四番」に入ったのも期待の裏返しだ。4回裏、楽天・入野の外角寄りのストレートを振り切った。7球ファウルで粘った末のカウント2-2から飛び出した本塁打だった。
キャンプで直接指導を続ける金本監督も「粘った後だから価値がある。欲を言えば、その前のストレートを一発で仕留めてほしい」と目を細めながら気を引き締めることも忘れなかった。
金光大阪高では1年夏、3年春に甲子園出場。
巨人から育成ドラフトで指名されたが辞退し、東農大に進んだ。2014年ドラフト3位で
阪神入り。一軍出場はないが未完の大器ぶりは注目されていた。
金本監督の方針でキャンプでは今まで以上のウエート・トレーニングが義務付けられている。陽川も体重6キロ増の91キロになって、オフから取り組んできた肉体改造が結果として表れた。
金本監督も「開幕してベンチに入っていないと思ったら、あそこまで言っていない」と連日の直接指導を続けた。キャンプ序盤には90分間には監督自らトス役を買って出るなどの熱血ぶり。
本来は内野を守っているが、出場機会の幅を広げるために外野にも挑戦している。陽川も「ゲームに出るためにはどこでも守ります」と定位置争いに参戦だ。
若虎が伸び悩んでいるチームにあって陽川は「いろいろ吸収していきたいです」とどん欲。大砲候補が芽を出し、南国沖縄でのサバイバルはさらに激化していく。