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西武 田邊徳雄監督・タカ&ハム狩りで狙う頂点

 



 春季キャンプ打ち上げ後、田邊徳雄監督は今年の開幕マウンドを菊池に託したことを公言した。昨年はキャンプ初日にエース・岸に直接伝えたが、今年は「相性もあるから、もう少し考える」と実戦形式の練習メニューが始まる第3クール終了まで決断を先延ばしにしてきた。そして、白羽の矢を立てたのが7年目左腕だった。昨年、今年と指揮官が「優勝のカギ」に名を挙げる最も期待を寄せる1人。

 昨年は開幕に調整が間に合わずシーズン途中からの先発ローテ入りとなったが、結果的にはチーム2位、自己最多タイの9勝をマーク。防御率も2.84と、先発陣の中で唯一の2点台だった。大役に抜擢される資格は十分といえよう。

 ただ、一方で公式戦日程を見ると、オリックスとの開幕3連戦後、火曜日からの2カード目の相手がソフトバンク。以後、火曜日ごとに日本ハム、ソフトバンク、日本ハムと4週連続で昨季大きく負け越した2チームとの対戦カードが並ぶ。CS出場を逃した原因の1つとして、監督は「同じチームに負け過ぎた」ことを挙げており、課題克服のためにも、このカードには岸をぶつけて勝負したいとの考えは妥当と言えよう。

「岸と雄星には“左右のエース”として2枚看板になってもらわなきゃ困る」岸への全幅の信頼と菊池の飛躍への期待。両者あってのこの決断が、吉と出るか否か。ある意味、今年の命運をかけるといえる、この4週間は要注目だ。

 栗山主将がはっきりと口にした「ソフトバンクに勝ちたい!」は、選手たち全員の思いである。「そこに勝たなければ、優勝はない」と田邊監督。悲願達成へ向け、チーム一丸、死に物狂いで昨年度の王者を打倒することに燃える。
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