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ソフトバンク 斐紹捕手・『工藤監督投法打法』で開眼

 



 将来の正捕手候補と呼ばれ続けた6年目が、今季こそ「扇の要」を奪い取りにいく。春季キャンプ中の2月25日に行われた楽天戦(宮崎アイビー)。「九番・捕手」で先発出場した斐紹が、2回一死満塁の好機で釜田の直球を中前へはじき返し、2点適時打とした。4回一死一、二塁でも右前への適時打。武器である打撃で2安打3打点の活躍を見せ、アピールに成功した。

「監督やコーチに教えていただいた打撃が試合の中でできた。打撃でアピールして、守りの面でもしっかりやって(先輩捕手に)勝たないと、先はない」

 チームには細川、鶴岡、高谷と誰がマスクをかぶっても「正捕手」が務まる経験豊富なベテラン捕手がひしめくが、今季は鼻息荒く、そこへ殴り込む。

 ドラフト1位で2011年に入団したが、昨季までの5年間で目立った活躍ができていない。その間、育成選手だった拓也が支配下登録され、球団は最近2年のドラフトで続けて高校生捕手を獲得。危機感は本人が痛いほど感じている。

 ただ「V10構想」を掲げる球団にとっても、若い捕手の台頭は大きな課題。斐紹自身、工藤監督からも大きな期待を受けているが、その指揮官から打撃開眼に向けてのヒントももらった。キャンプでの打撃練習中に「後ろ(背中側)に体重がかかり過ぎている」と指摘され、打撃フォームを修正。踏み込み足の右脚を振り子のようにけり上げる打法にたどり着いた。

「監督の投げ方みたいな打ち方。以前より脱力して打てるので、バットもすんなり出せる。振り子打法じゃないです。『工藤監督投法打法』です」

 工藤監督の投球時の右脚の使い方に似ているその打法で、一気の正捕手取りを狙う。
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