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楽天 ウィーラー内野手・浮沈のカギ握るハッスルボーイ

 



 1年前とはまったく違う立場で、ウィーラーが開幕を迎えようとしている。昨季の開幕戦は「二番・左翼」。第2戦に「六番・三塁」で出場すると、第3戦は控えに回った。つまり、複数ポジションを守れる便利屋のような役回りだった。さらに、昨季の前半戦は打率.176と不振。今季、四番として開幕を待ち切れない心境でいるとは想像もできなかった。

 評価を変えたのは、昨季の後半戦だった。打率は3割を超え10本塁打。8月下旬以降は四番に定着し、残留オファーを勝ち取った。

「自分はどこでもやれる。九番でも二番、三番でも。去年、日本のピッチャーとやって、慣れてきたところはある。(内外野を守るのは)大変だけど、それが自分に与えられた仕事」

 立場は変わっても、意識は変わらない。

 今季は四番として大きな期待がかかる。四番候補だったアマダーが左手首を痛め離脱。ゴームズは長打力を生かすため、下位に座るケースが多そうだ。オープン戦から好調を維持する助っ人砲は「特に変えたところはない。結果がいい方向に変わっているだけだよ。アプローチは去年と変わらないけど、違うのはメンタルの部分。(相手投手の)イメージを整理して準備ができている」と余裕たっぷりに話した。

 首脳陣の評価も高い。梨田監督は「チームに溶け込んでいるし、ハッスルボーイというか、キャラもいい。楽しんで野球をやっているし、外国人選手という感じがしない」

 練習中、左翼ライン際でまさかのダイビングキャッチを見せ、周囲を爆笑させたこともあった。四番でどこでも守れるムードメーカー。間違いなく、チーム浮沈のカギを握っている。
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