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ヤクルト 原樹理投手・プロ野球選手としてのスタート

 



 ドラフト1位ルーキー・原樹理が開幕先発ローテーション入りをほぼ確実にした。

 3月3日のDeNAとのオープン戦(横浜)でチームの連敗を5で止め、オープン戦初勝利に貢献。さらに12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では昨年の日本一打線を相手に宝刀・シュートで内角を攻める強気の投球で、5回無失点の好投を見せた。すると試合後、真中監督は「当確です」と明言。原は目標のひとつであった開幕先発ローテ入りを自身の力でつかみ取った。

 東洋大3年の秋季リーグ戦、チームは二部で最下位争いをしていた。

「チームに惨めな思いをさせたくない」

 集中力は最高潮に達し、2日連続完投で勝利に導き、最下位を逃れた。翌4年時の秋季リーグ戦ではフル回転の活躍でチームを一部に引き上げ、今年からは後輩たちも、神宮球場でプレーできる。立場は変わっても、同じ舞台で戦えることもまた、意気に感じている。思えば高校3年時に甲子園出場を果たしたときもそうだった。

「仲間に恵まれて『このメンバーで勝ちたい、上に行きたい』という思いが強くなるといいピッチングができる」ことに気づいた。

「プロは自分のことを考えないとダメだと言われますけど、僕はそれじゃダメなんです。“仲間のため”と思わないと。だからプロでもフォアザチームの気持ちを持ってやっていきたい」

 ドラフト当日、ヤクルトからの指名を受け、仲間とともに涙を流し喜び合った。そのあこがれだった世界に飛び込みキャンプから一軍に帯同。「みんな温かい。本当にいいチーム」と語る背番号16が感謝と強いチームへの思いを胸に、プロ野球選手としての1ページを刻む。
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