環境も収入も期待の高さも1年前とは比較にならない。オーストラリア出身の
ドリュー・ネイラーは昨年3月に四国IL/香川に入団すると、好成績を残してシーズン途中に
中日入り。つまり、来日2年目の右腕にとって初体験となるNPBの開幕。サクセスストーリーを完成させるときがきた。
「先発ローテに入ると思っているので、いつもベストの投球ができるように心がけている。10勝を目標にして、そこから一つひとつ白星を積み重ねたいね」
昨年4勝3敗の右腕はいまや大黒柱になりつつある。オープン戦2試合目の3月15日の
日本ハム戦(ナゴヤドーム)で岡にソロ本塁打を許したが、これが練習試合を含めて11イニング目の初失点。結局、その日は6回を1失点でまとめて、オープン戦防御率も2試合で0.82となった。昨年以上の状態をキープしているのだ。
「何がいいってストライクゾーンにいくボールに力があるね。今のところ安定感は一番」
こう評価するのは谷繁監督だ。エースの大野は盤石も、2番手の若松はオープン戦で失点を繰り返し、一昨年の最多勝投手・山井も不安定。そんな中で頼れる存在になっている。196センチの長身から繰り出す速球は150キロには到達しないが、左右への揺れるボールでゴロを量産する。
「腕がいつもより少しだけ上に流れてしまって、左打者から見えやすい角度になっていたと思う。そこをあと1週間ちょっとで修正していきたい」
日本ハム戦の試合後、こう反省していた。被安打9本のうち、7本が左打者だったことへの課題を口にしたが、マジメなのもこの男の魅力。ネイラーがフル回転すれば中日の未来は明るい。