昨年末の契約更改でキャリア初のダウン提示を受けた
栗山巧。
「もうひとつ“やったろか”と思う、良いきっかけになります」と潔く、前向きに受け止め、早々に2016シーズンに懸ける強い思いを口にした。それはキャンプの取り組みから表れていた。若手を中心に組まれていた早出練習に参加し、外野守備の基礎を丁寧に復習した。
打撃面でも、今季は自身の中で挑戦していることがあると話す。練習では、素振りから始まり、5種類ほどのバリエーション豊かなティー打撃を行い、新たなスタイル、感覚を自らに植え付けてきた。ただ、トライしている具体的な内容については、「現段階では言葉でどう表現し、伝えていいか分らへん。すべてシーズンに入ってやってみないと」と説明する。それでも感覚として、手応えをつかんでいることは確かだ。
実際、その取り組みは結果にも表れており、オープン戦の成績は打率.371と、ここ5年で最高となった。
「この何年間は、オープン戦の数字は気にしていなかったですが、今年に関しては、内容はもちろん、プラス数字も残して、しっかりとアピールできるようにしたいなと思っていた」
心身、結果とも、充実した状態で開幕を迎える。
愛弟子の気迫あふれる姿勢に田邊監督も「今年のクリは相当良い」とうれしそうに語る。入団時からの恩師を胴上げするためにも、そして、主将として、2年連続Bクラスの汚名を返上するめにも、背番号1はさらなる進化を胸に期す。