超変革のチームをけん引するのは
鳥谷敬だ。プロ13年目の開幕は、ここ数年のうちで、もっともいい形で仕上がってのスタートだった。
「今年は自分で自分に期待しています。何よりコンディションがいいのが大きい。いいシーズンにしたいですね」
本番までは自在のプレースタイルで対応した。オープン戦に出場したのは10試合。一番、二番、三番、六番の4つの打順で、打率.333の結果を示したのだ。
金本監督は「固定することはない」としながら「二番と六番の鳥谷は、相手が一番嫌がりそうだ。いろんな状況が出てくる」と柔軟性をもたせている。鳥谷も「打順は自分が決めるわけじゃないんで、何番でも任されたところで状況に応じたバッティングをします」とやる気だ。
一見控えめにみられたキャプテンだったが、金本監督が就任すると「お前が変わらないとチームが変わらない」とハッパをかけられていた。
春季キャンプ、オープン戦を通じ自ら声を張り上げ、率先して引っ張った。北條、陽川ら若手内野手に刺激を与えた姿は変革した男の姿だった。金本監督も「野手練習のムードを作ってくれた。ミスした選手をいじったり、いいプレーをほめたりね」と全幅の信頼を置いている。
今年35歳のシーズンに入ったチームリーダーは「しっかり準備をしてプレーを続けたい」と最後までベストを尽くす。