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ソフトバンク 福田秀平外野手・「いつか」へ牙を研ぐ10年目

 



 昨季トリプルスリーを達成した同僚の柳田。シーズン216安打の日本記録を樹立した西武・秋山。ヤンキース・田中やドジャース・前田……。現球界の中心軸ともいえる1988年生まれ。89年の早生まれだが、福田もその世代の一員だ。多摩大聖ケ丘高から2007年高校生ドラフト1巡目で入団してから、節目を迎えた16年の開幕戦。楽天・則本と対するオーダーに、自身初の開幕スタメンとして名を連ね、それも打順一番だった。1会場だけ試合開始が早く、第1打席の二塁内野安打が今年のプロ野球のファーストヒット。次打席で右前へ適時打を放った。滑り出しとしては申し分なかった。

 両ヒザ、左肩に手術歴がある。14年は一軍出場がなかった。李大浩の退団でスタメン野手1枠が空き、「10年目で一番のチャンス」と自分に言い聞かせて臨んだ今年だった。初の海外自主トレ、温暖なグアムで始動。福岡へ戻ってカブス・川崎とも練習し、期待のホープ・上林との競争を制する形で開幕スタメンの座を射止めた。

 開幕戦2安打の後、快音は途絶え、5戦目でスタメン落ちすると、以降は出場機会が流動的になった。

「野球って難しいです」

 現実は甘くなく、壁を感じてもいるが、今度は「いつか」の出場機会への備えに集中すると切り替えている。

「とにかく僕みたいな選手はケガをしないこと。ケガしてしまったら、それまでなんで」

 戦線に居続ける。それは兄のように慕う川崎と約束したことでもある。
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