10年目の節目を迎える
大嶺祐太。昨季は自己最多の8勝を挙げ、今季も開幕先発ローテーション入りした。
「規定投球回数を達成して、結果として2ケタ勝利ができればいい」と気合を入れた。
今年に懸ける思いは強い。理由がある。石垣島キャンプ中の2月12日。歌手や女優として活動する宮古島出身の琴菜さんと結婚した。地元の石垣市役所に婚姻届を提出した右腕は「今年は頑張らないといけない。奥さんの家族に安心してもらえるように結果で示したい」と決意を語っていた。
今季の登場曲は琴菜さんが自ら作詞し歌っている「Vitality〜自分への挑戦状〜」に決まった。三線(さんしん)が使われた沖縄らしい楽曲は大嶺祐もお気に入り。最愛の妻の曲をバックにマウンドへ向かうと自然と力がみなぎる。
開幕2戦目となった3月26日の
日本ハム戦(QVCマリン)で今季初先発したが、4回6四死球と制球に苦しみ、4失点で降板。チームは勝ったものの、勝ち星はつかなかった。オープン戦では力みのないしなやかなフォームを見せていたが、今季初登板は「今年はみんな球が速いので、力んでしまった」と振り返る。シーズン独特の緊張感の中で本来の投球を見失った。
しかし、2度目の登板となった4月2日の
オリックス戦(京セラドーム)では6回2失点と修正して初勝利をマーク。生涯の伴侶を得た10年目。勝負のシーズンはここからだ。