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オリックス 安達了一内野手・“難病と闘う男”が逆襲のキーマン

 



 背番号3が遊撃の位置に帰ってきた。1月下旬に厚生省が指定する難病「潰瘍性大腸炎」を発症し、約3週間の入院を経て、懸命のリハビリを続けてきた。容態が落ち着いても服薬は欠かせない難病。本人は「1日も早く治したい」とコメントしたが、復帰は早くても4月下旬か、5月あたりの見通しだった。

 だが4月2日にファームで実戦復帰を果たすと、同5日のプロアマ交流戦では“今季1号”も放つなど、順調な回復ぶりを見せた。そして12日の日本ハム戦(京セラドーム)から一軍に合流し「こんなに早く復帰できるとは」と本人も驚くスピード昇格。チームが連敗中だったこともあり、起爆剤となるべく即日先発フル出場した。

 安達了一の復帰を待ちわびたファンからの「おかえりコール」に迎えられ「泣きそうになりました。力になりました」と3回と5回に安打を放った。それぞれ早いカウントからの積極打法で、いきなりのマルチ安打。「2本はたまたまですが、積極的にいくことが持ち味なので。その結果、いいヒットが出ました」と久しぶりの一軍の舞台を思う存分楽しんだ。

 不安が残るのは食事面について。一軍合流前にナイター対策として、夜に体を動かした後、食事を取る練習を行った。食事を取る時間やタイミングで体調も変化するため、今後も病気とうまく付き合いながらプレーを続けていくことになる。難病と闘う男が、逆襲のキーマンに名乗りを上げた。
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