超変革の目玉の1つが、
横田慎太郎の起用だった。開幕から13戦目で「先発二番」が途切れた若虎。金本監督が「松井(秀喜)になれ!」とハッパをかけて直接指導を行ったのは期待の表れでもあった。
昨シーズンまでの体制なら開幕スタメンは考えられなかったかもしれない。右翼・福留だけがレギュラーを保証された外野のポジションで、ライバルたちの後塵を拝していた横田がグイグイとせり出した。
オープン戦打率.393をマークし、開幕一軍入りどころか「二番・中堅」でスタメンまで奪ってみせた。掛布二軍監督が「野生児」と称する20歳は、バントをしない二番打者として必死に食らいついてきた。
4月5日の
巨人戦(東京ドーム)の3回無死一、三塁。左腕ポレダの前に高く弾んだ内野安打としてプロ初の決勝打となった。本人は「打てないときは足で貢献したい」と泥臭いプレーを続けた。
一方で当てにいくバッティングが目立って、持ち前の長打力が消えかけている。二軍では2年間で15本塁打を放った横田だけに、一軍でも長打が出てこそ「二番」で生きるというものだ。
金本監督も「5、6年かけて3割40本塁打の選手に育てたい」と育成プランを明かす。「これからも結果にこだわってゲームに入っていきます」という横田。近い将来の主力に育っていくプロセスに注目が集まる。