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日本ハム 加藤貴之投手・度胸満点の新人左腕が記念星

 



 スクランブルのち、サプライズな1勝が待っていた。ドラフト2位左腕の加藤貴之が思いがけずにメモリアルな1日を迎えた。4月16日のロッテ戦(札幌ドーム)。開幕から上位を快走している好調ロッテ打線を手玉に取った。プロ入り2度目の先発マウンドを6回、69球で4安打無失点。味方の野手陣から強力援護も受けてプロ初勝利を挙げた。今季のパ・リーグの新人一番乗り。

「全力投球を心掛けました」と、初々しくスタートラインを喜んだ。

 救世主になった。開幕から先発ローテーション入りし2戦2勝の有原が腰椎捻挫で離脱。足りなくなったコマ不足を埋めるため抜てきされた。当初は中継ぎ要員として開幕一軍切符も緊急措置で配置転換。スターターとしての調整も不十分な中で、9日の楽天戦(コボスタ宮城)でいきなりプロ初先発。2回途中3失点でKOされたが、その次に用意された本拠地での舞台で期待に応えた。栗山監督も「自分を信じて勇気を持って投げてくれた」と絶賛の働きだった。

 社会人の古豪・新日鐵住金かずさマジックから、プロの門をたたいた即戦力。2位という高評価で中継ぎ、臨時で任された先発でも苦しい台所事情を支えている。プロ初白星の後は再びブルペン陣の手薄な左腕として出番に備える。

「投げられるチャンスをもらえるなら中継ぎでも先発でも投げたい」とガムシャラに貢献を誓うサウスポーが、開幕から出遅れたチームに新風を吹かせる。
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