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広島 横山弘樹投手・本当の勝負は5月

 



 緩急自在の考える投球で、横山弘樹はプロ初勝利をつかんだ。3月30日のナゴヤドームでの中日戦で8回途中7安打3失点。100キロ台前半のスローカーブ、チェンジアップに140キロ台中盤の直球を両コーナーに投げ分けた。最後はスタミナ切れで降板する形となったが「勝てたことは素直にうれしいです」と新人らしくさわやかに笑った。その後の4月8日の阪神戦(甲子園)でも7回1失点と、白星には恵まれなかったが上々の投球だった。

 現在は先発5番手の位置づけ。6連戦がない日程のため登板機会に恵まれない状況もあるが、首脳陣の評価は高い。緒方監督は「しっかりしたものを見せてくれている。十分な働き」と評価。畝投手コーチは先発機会がない状況ではブルペン待機を命じている。実際に4月16日の巨人戦(東京ドーム)では黒田の後を受けて登板。プロ初の中継ぎだったが2回無失点で切り抜けている。エースの後で、大観衆の東京ドーム。だが「気持ちの準備が難しかったけど、カープファンの大歓声も聞こえていたので力になりました」と冷静に振り返った。

 本当の力が試されるのは5月に入ってから。6連戦が始まり、広島特有の移動の多さも経験することになる。すべてが未知のなかでどれほどやれるか。二軍調整中のドラフト1位・岡田とともに、チームの5月戦線を占う存在であることに間違いはない。即戦力の名に違わぬ横山が命運を握っている。
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