好対照な数字が苦闘を物語っている。接戦勝利へ導く不動のピース、
増井浩俊が開幕からあえいでいる。4月25日現在、6セーブは
ロッテの
西野勇士と並んでリーグトップ。ただ内容に目を移せば物足りない不安定感がのぞく。9試合登板で早くも2敗を喫し、防御率7.36。昨季は56試合でわずか1敗だけで同1.50だっただけに序盤からつまずいた。
痛恨の2敗だった。今季初黒星は4月17日のロッテ戦(札幌ドーム)。劣勢から9回裏に同点に追い付いた直後に3安打を浴びて3失点で勝ち越しを許した。4月24日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)も同点の9回、内川にサヨナラ本塁打を浴びた。最大のライバル相手に連勝し、勝てば勝率5割がかかった試合。チームを上昇気流へと乗せることができた2試合で崩れた。
守護神の座に就いたのは2014年の途中から。当時はセットアッパーとして前任のクローザーで駒大の先輩にもあたる
武田久の背中を見て育った。増井は「ずっと目標にしてきた。緊迫した場面でミスなく投げられるようにしたい」。過去を断ち切り、すぐ次戦へと向かうメンタルの重要性を学び、強さも培った。通算79セーブで、今季中に「100」の大台に到達しそう。121ホールドを挙げており、両成績で「100」以上を達成すれば球界では武田久、
阪神・
藤川球児、今季達成した
オリックスの
平野佳寿に続く4人目。立て直して金字塔、実りの秋へと再出発する。