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西武 増田達至投手・“自覚”十分の新クローザー右腕

 



 昨季、主にセットアッパーとして重用され、最優秀中継ぎに輝いた右腕が、今季は新守護神として安定した投球を続けている。

 チームの劇的なサヨナラ逆転勝利によって、開幕戦から勝利投手の幸運を得た。だが、この試合に限っては、「まだ状態が上がってなかった」と振り返る。現に最高球速も138キロにとどまった。しかしその後、登板日が空いたことで「幸いにも、そこで『下半身から始動し、下半身で終わる』という感覚の、しっかりとした投球に修正することができた」。実際、自身2戦目の4月3日楽天戦(Koboスタ宮城)で球速は147キロまで上昇した。

 また、調子のバロメーターの1つとしている、「縦スラ」と「カーブ」。握り方もリリースの仕方もまったく同じ。違うのは球速だけだという増田独自の球は今季、130キロ前後の「縦スラ」が抜群。それもまた、腕がよく振れている証拠である。首脳陣も、クローザーには何の不安材料も抱いていない。だが、本人は違う。

「ムダな四球が多く、ランナーを出し過ぎているのが一番の課題。後ろをやる人にとって、四球1つが命取りになるので、避けなければならない」と今後へ向けて厳しく自戒する。

 昨季も終盤は抑えを任されたが、そのときとはやはり違う。「体が無意識に自覚している感じ。特にピンチになったとき、体が自然と『やらないといけない』というふうになる」と頼もしい。切り替えのうまさは天下一品。今季は、背番号14が勝ち試合を締めくくる。
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