開幕からの対戦カードが2巡目に入っても、
マルコス・マテオは崩れることはなかった。ドレッドヘアに両耳ピアス、たっぷりとヒゲを伸ばした風貌からは威圧感が伝わってくる。
「オレはとても強いボールを投げられるわけではないし、すごい変化球もない。とにかく自分を信じて投げるだけだ」と控えめな受け答えが、逆に頼もしさを感じさせる。
ドミニカ共和国生まれで昨季はパドレスに在籍し、メジャー通算70試合、3Aでは95試合に登板した。スリークオーターからのMAX155キロの直球、右打者が腰を引くほど曲がるスライダーが武器だ。
来日2試合目登板となる3月27日対
中日戦(京セラドーム)で初セーブ。31日
ヤクルト戦(神宮)で3イニングを投げて周囲を驚かせたが「オレは疲れない」と不敵に笑った。
昨シーズンまでの絶対的守護神・
呉昇桓がメジャーのカージナルスに流出したチームにとって、マテオの抑えとしての成否は生命線とも言える。
「1球1球自信を持って投げれば、結果はついてくる」
昨オフ母国でのウインター・リーグに参加した際、チームメートだったのが、同じ
阪神入りしたドリスだ。相手チームからは、ヒゲの男たちという意味の「バルブセ」と呼ばれて恐れられた。
今後もドリス、マテオのドミニカンリレーがはまれば、勝利の方程式は確固たるものになる。
DeNA、
広島からもセーブを挙げたマテオは「勝利のために投げまくる」と意気盛んに腕を振り抜く。