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日本ハム 田中賢介内野手・生きた教材として存在感を発揮

 



 背中で見せる。心意気でけん引する。若手主体の新チームをかじ取りする1人が田中賢介だ。今季で15年目を迎えたベテランがスパイスになっている。5月4日現在で31試合に出場し、打率.289ながら打点は20。群を抜く勝負強さでポイントゲッターの役割も担い、勝ちゲームへと誘う。派手で渋い仕事も連発するキーマンだ。

 開幕から勝率5割前後で一進一退ともどかしいチーム状態が続いているが、泰然自若と覚醒のときを待つ。

「若い選手が多いので連敗もあるけれど、連勝もある」

 未成熟で粗削りだが、才能あふれる後輩たちがレギュラーメンバーに並ぶ。その中で田中賢の役目は活躍するだけではなく、プレーで何をすべきかを伝えることも使命。徹底したチームバッティング、四球を選んでのチャンスの作り方など身をもって示す。

 日本ハム在籍時代に日本一1度を含むリーグ優勝4度。米球界に2年間挑戦して昨季から古巣に復帰した。栗山監督が「一番信頼しているのは田中賢介」と言うほど、チームの軸に据えられている存在。今季は開幕から故障者が続出。打順は二番と三番を任されるなど、日によって目まぐるしく変わる環境にも順応している。

 最大の目標はチームを4年ぶりのリーグ優勝へ導くこと。

「しっかりとした野球を全員ができれば可能性はある。そこを目指していきたい」

 昨季負傷した右肩の状態はいまだ万全ではないが、力の限り自らの役割を全うしていく。
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