ここぞの場面での一発で、チームを救っている。4月19日の
楽天戦(東京ドーム)で今季1号を含む2本塁打を放ち、延長11回の熱戦に終止符を打った。
「ホームランを打つバッターではないから、つなぐことを意識している」と涼しい顔で話したが、1試合2本塁打は
日本ハム時代の2010年以来6年ぶり。特に2本目は打った瞬間それと分かる豪快な一発で「いいところで出てくれた」と福良監督も最敬礼した。普段はつなぎ役に徹するが、遅ればせながら記録した今季初打点に「ホッとした。増やせるものは1つでも多く増やしたい」と力を込めた。
早くも昨季に並んだ。5月3日の
西武戦(西武プリンス)では、ダメ押しの4号2ラン。ケガに悩まされ、56試合の出場に終わった昨季の本塁打数は4。開幕から28戦目で早くも並んだのは何より順調な証拠だ。
「一戦一戦、戦う気持ちはいつも変わらない。毎日を(次の日に)結びつけないと緩慢になる。『また明日』の繰り返しです」
移籍2年目に懸ける思いも強い。
今年でチーム最年長となる36歳を迎える。昨季は秋季キャンプに志願して参加し、若手選手とともに汗を流すなど、チームのアニキ的存在を買って出ている。契約更改の席では「自分のやってきたことを伝えたい。どんどん聞いてきて」と呼びかけた。理想は日本ハム時代にともにプレーした
稲葉篤紀氏と
金子誠氏。プロ13年の経験を伝え、
オリックスを常勝軍団にしてみせる。