週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西武 十亀剣投手・不振で二軍落ちも必ずや這い上がる!

 



 昨季のチーム最多勝投手が苦しんでいる。7試合に登板して1勝2敗、防御率7.04。十亀剣が5月12日、二軍降格を通達された。

 不振の原因は新球種の習得にあった。昨季は安定した投球で途中からカード頭を任され11勝。今年は、「岸さんに追いつけ、追い越せの勢いで頑張らないと」と持ち前の向上心でさらなる飛躍を誓っていた。昨季の好成績を支えたのがカーブで、その状態の良し悪しが結果を大きく左右した。だからこそ、「カーブが決まらなかったときの引き出しを、もう1つ持てるか」を土肥コーチは今後の課題に挙げた。そして、その手段に選んだのがフォークとシュート、2つの球種を増やすことだった。

 ところが、その習得により、直球とカーブという、生命線ともいえる球がどちらも精彩を欠く代償が待っていた。だからこそ、ここ最近、ブルペンでの調整は「直球とカーブだけを徹底的に投げ込んでいます」。自分の持ち味は何か、今一度シンプルに立ち返っているところだ。とはいえ人一倍、向上心の高い十亀だ。せっかく会得した武器を消すことはしない。自らを成長させいくためにも、本来の武器と新たな武器とを「いかにすり合わせるか」にこだわっていく。

 真面目で上昇志向強いだけに、久しぶりのファーム生活で考え込むことも多いだろう。だが、いかなる状況もポジティブに変えられる男だ。この苦境も乗り越え、一皮も二皮もむけた姿で一軍マウンドに戻ってくると信じている。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング